炭素循環農法21 エサは、どの季節に入れるのがベストか?

OKファームの川手です!
今日は、微生物にやる高炭素資材(エサ)は
どのタイミングがベストなのか?という話です。
よろしくお願いします!

日本に限って言えば、春夏秋冬、4つの季節があります。
気温をはじめ、色々と条件が違いますが、
炭素循環農法の解釈でいくと、
エサの投入時期は、いつがベストなのでしょうか?

目次

エサのタイミングを間違うとどうなる?

以前の記事でも何度か紹介していますが、
炭素循環農法において、エサの投入時期、そして量は結構重要です。
土中の微生物の総量(バイオマス)を増やすのが目的ですが、
エサの量が少なすぎると、微生物が餓死してしまいます。
エサの量が多すぎると、微生物がそれを食べきれず、腐敗の原因になります。

もちろん、目に見えない微生物にエサをやるわけですから、
完璧に過不足なく・・・というのは無理ですが、
なるべく無駄のないようにするのが、
畑の清浄化のスピードアップにつながるわけです。

春夏秋冬、微生物とエサの関係

以下に、提唱者の林さんがまとめられた文章をそのまま引用します。

先は最も腐敗しやすい時季。転換期には要注意です。資材を投入することより、毒出し(代謝=浄化=排水、空気の供給)に主眼を置きます。冬期には、低温に強い糸状菌の一人舞台となり、バクテリアなどの二次分解者の活動が鈍り、その結果土壌に代謝物質が大量に溜まるからです。

は高温でも、土壌全体の代謝が盛んなため意外と腐敗が少ない季節。調整程度で自律。ただ、消耗も激しいため低緯度地方、高温地域では補給が必要です。

食欲の。この時期に必要十分なだけ与えます。秋は資材の入手も容易です。地温が下がり、雨量も減り土壌が好気状態になるため、腐敗も起き難くい季節。特に栽培可能期間の短い高緯度、寒冷地では、時間を有効に使うため、この時期にまとめて1年分入れて構いません。

は秋に取りこんだ餌を、じっくり発酵・養分化して備蓄。環境整備(団粒化)し、体力を付ける期間です。

林幸美さんのホームページより https://tan.tobiiro.jp/jissen/tenkan2.html 

ということで、エサを投入するのにベストな時期は、秋、ということですね。

自然界でも秋にエサが豊富となる

前述の春夏秋冬の特徴を見て、私が感じたことですが、
自然の山の中で言うと、エサがもらえるタイミングの多くは
秋の割合が高いと思うんですよね。
寒くなり、風が吹くことで葉が落ちる
木の実や柿などの果実も木から地面に。

種が秋に落ちて、それが冬を越し、春に芽を出す
(もしくは、秋に芽が出てそのまま冬を越す)
など、種を基準とした「成長の過程」は理解しやすいですが、
自然界で発生する「栄養素の発生源」も、もしかしたら秋が多いのかなぁと、
私個人は今の所考えています。
(他の季節の特徴で見落としがあったらゴメンナサイ)

改めて、エサやりの時期の注意

先ほどの林さんの引用と内容が重複しますが、
再度時期の確認をしておきます。


春先のまだ気温が低い時期は注意。
エサを最初に分解者する「糸状菌」は低温でも動きやすいが、
その次の分解者のバクテリアなどは、低温では動きがにぶいため、
必要な養分供給が出来ない場合がある。


投入したエサが腐敗しにくい。
ただ、微生物が活発に働くため、エサの消耗も激しい。
気温が高くなりやすい「低緯度」地域の方はエサの補給が必要なケースがある。


地温が低い、雨量も減り、土壌の状態がよいため
エサやり時期として四季で1番ベスト。

転換初期(少な目)、作物の収量が減ってきた頃(量を増やす)
腐敗がほとんど無くなった頃(大量投入)など、
必要な量を投入して大丈夫とのことです。
特に寒冷地は、一年分まとめて投入することで、
作業の効率化を図れることもあり、オススメ


秋までに取り込んだ餌をじっくり発酵、養分化→備蓄する時期。
前述の春の項目と同じく、
バクテリアなどが動かなくなるタイミングもあるため
計算なしで投入するのはよくないと思われます。
特にトラクター等で耕起すると、有機物を過剰に消耗し、
微生物たちにとってよくなくなる、と林さんもおっしゃっています。

追記:個人的な見解

葉物野菜など、年に何回も畑で栽培する作物の場合は、
収穫が終わる→すぐさまエサを投入→種まき作業にうつる
のサイクルがよいとされていますが、
年1回の作型の場合は、秋に必要な高炭素資材を投入し、
春からスタートダッシュをかけられるようにした方がいいのかもしれませんね。
(私の栽培するごぼうの場合は、あまり弊害がみられないので、大丈夫だと判断しています)

まとめ

日本の場合、
秋は、微生物が気温、雨の量などの条件面で
もっとも活躍できる時期であり、
高炭素資材を調達するのにも苦労が少ない。
(モミガラ、落ち葉etc・・・)

畑の平均気温などによっては、
他のシーズンに投入しても問題はないが、
気温、雨量などと微生物の関係を把握して
投入するのが重要。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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