OKファームの川手です!
今日は、微生物にやる高炭素資材(エサ)は
どのタイミングがベストなのか?という話です。
よろしくお願いします!
日本に限って言えば、春夏秋冬、4つの季節があります。
気温をはじめ、色々と条件が違いますが、
炭素循環農法の解釈でいくと、
エサの投入時期は、いつがベストなのでしょうか?
エサのタイミングを間違うとどうなる?
以前の記事でも何度か紹介していますが、
炭素循環農法において、エサの投入時期、そして量は結構重要です。
土中の微生物の総量(バイオマス)を増やすのが目的ですが、
エサの量が少なすぎると、微生物が餓死してしまいます。
エサの量が多すぎると、微生物がそれを食べきれず、腐敗の原因になります。
もちろん、目に見えない微生物にエサをやるわけですから、
完璧に過不足なく・・・というのは無理ですが、
なるべく無駄のないようにするのが、
畑の清浄化のスピードアップにつながるわけです。
春夏秋冬、微生物とエサの関係
以下に、提唱者の林さんがまとめられた文章をそのまま引用します。
春先は最も腐敗しやすい時季。転換期には要注意です。資材を投入することより、毒出し(代謝=浄化=排水、空気の供給)に主眼を置きます。冬期には、低温に強い糸状菌の一人舞台となり、バクテリアなどの二次分解者の活動が鈍り、その結果土壌に代謝物質が大量に溜まるからです。
夏は高温でも、土壌全体の代謝が盛んなため意外と腐敗が少ない季節。調整程度で自律。ただ、消耗も激しいため低緯度地方、高温地域では補給が必要です。
食欲の秋。この時期に必要十分なだけ与えます。秋は資材の入手も容易です。地温が下がり、雨量も減り土壌が好気状態になるため、腐敗も起き難くい季節。特に栽培可能期間の短い高緯度、寒冷地では、時間を有効に使うため、この時期にまとめて1年分入れて構いません。
冬は秋に取りこんだ餌を、じっくり発酵・養分化して備蓄。環境整備(団粒化)し、体力を付ける期間です。
林幸美さんのホームページより https://tan.tobiiro.jp/jissen/tenkan2.html
ということで、エサを投入するのにベストな時期は、秋、ということですね。
自然界でも秋にエサが豊富となる
前述の春夏秋冬の特徴を見て、私が感じたことですが、
自然の山の中で言うと、エサがもらえるタイミングの多くは
秋の割合が高いと思うんですよね。
寒くなり、風が吹くことで葉が落ちる
木の実や柿などの果実も木から地面に。
種が秋に落ちて、それが冬を越し、春に芽を出す
(もしくは、秋に芽が出てそのまま冬を越す)
など、種を基準とした「成長の過程」は理解しやすいですが、
自然界で発生する「栄養素の発生源」も、もしかしたら秋が多いのかなぁと、
私個人は今の所考えています。
(他の季節の特徴で見落としがあったらゴメンナサイ)
改めて、エサやりの時期の注意
先ほどの林さんの引用と内容が重複しますが、
再度時期の確認をしておきます。
春
春先のまだ気温が低い時期は注意。
エサを最初に分解者する「糸状菌」は低温でも動きやすいが、
その次の分解者のバクテリアなどは、低温では動きがにぶいため、
必要な養分供給が出来ない場合がある。
夏
投入したエサが腐敗しにくい。
ただ、微生物が活発に働くため、エサの消耗も激しい。
気温が高くなりやすい「低緯度」地域の方はエサの補給が必要なケースがある。
秋
地温が低い、雨量も減り、土壌の状態がよいため
エサやり時期として四季で1番ベスト。
転換初期(少な目)、作物の収量が減ってきた頃(量を増やす)
腐敗がほとんど無くなった頃(大量投入)など、
必要な量を投入して大丈夫とのことです。
特に寒冷地は、一年分まとめて投入することで、
作業の効率化を図れることもあり、オススメ
冬
秋までに取り込んだ餌をじっくり発酵、養分化→備蓄する時期。
前述の春の項目と同じく、
バクテリアなどが動かなくなるタイミングもあるため
計算なしで投入するのはよくないと思われます。
特にトラクター等で耕起すると、有機物を過剰に消耗し、
微生物たちにとってよくなくなる、と林さんもおっしゃっています。
追記:個人的な見解
葉物野菜など、年に何回も畑で栽培する作物の場合は、
収穫が終わる→すぐさまエサを投入→種まき作業にうつる
のサイクルがよいとされていますが、
年1回の作型の場合は、秋に必要な高炭素資材を投入し、
春からスタートダッシュをかけられるようにした方がいいのかもしれませんね。
(私の栽培するごぼうの場合は、あまり弊害がみられないので、大丈夫だと判断しています)
まとめ
日本の場合、
秋は、微生物が気温、雨の量などの条件面で
もっとも活躍できる時期であり、
高炭素資材を調達するのにも苦労が少ない。
(モミガラ、落ち葉etc・・・)
畑の平均気温などによっては、
他のシーズンに投入しても問題はないが、
気温、雨量などと微生物の関係を把握して
投入するのが重要。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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