炭素循環農法22 作りやすい野菜の種類 1位~5位 

OKファームの川手です。

今回の記事では、炭素循環農法で
トライしやすい野菜とそうでない野菜を紹介します。

炭素循環農法は、畑が安定(微生物の状態が良好)すると
どんな作物でも栽培は可能。連作しても大丈夫。
(ただ、マメ科は窒素過剰になり、腐敗を招きやすいため、
 マメ科だけは連作せず、翌年にイネ科などを植えるのがオススメとのことです)

とはいえ、肥料や農薬を使う慣行農法から
炭素鎖農法に切り替える際、
土の状態が安定するまでは
今までに比べ、虫食い、生育不良など、
野菜のクオリティが下がる時期があります。

そんな中でも、作りやすい野菜の種類は何なのでしょうか?
葉物?根菜?果菜類?はたまた果樹?
今回はそれについて解説します。

目次

どういう順位で作りやすいのか?

まず、先に結論から書きましょう。
・葉菜類
 が最も作りやすく、
続いて
・根菜類
・花野菜類
・果菜類
・種実類
という順で作りやすいということです。

え!?葉物が作りやすいの?

今までに慣行農法、
もしくは他の自然農法などの栽培をしていた方からしたら、
「葉物は、一番作りにくい作物だと思うんだけど・・」
と疑問に思われるかもしれません。

『「農薬を使えない」という事は、
真っ先にアブラムシやイモムシなどが、
葉を食べにくる。
根菜類や果菜類だったら、
葉っぱがダメでも、根の部分や実が無事なら出荷できるから、
そっちの方が簡単じゃない?
葉物が一番難しい気がするんだけど。』
私自身もそう思っていたのですが、
提唱者の林さんによると、まずは葉物、とのことです。

「短期間」で、「浅い部分」に根を張る 葉物野菜

炭素循環農法でキーワードとなる
「浄化」ですが、土の浄化は、上の方から徐々に始まり、
初年度で10cm程度
年に5cm程度、だんだんと深い部分まで浄化が広がります。
酸素供給がしやすくなったりするのが要因です。

先ほど紹介した、葉菜類、根菜、果菜類などの中で、
一番根をはる「深さ」が浅くてすむのは葉菜類です。

転換1作目はさすがに前年までの畑の腐敗具合により、
葉が虫食いにあう(虫が弱った野菜と土を浄化する)事も
あると思いますが、
2~3作目になれば、意外と早いうちから虫食いが減っていきます。
いい葉物野菜が取れるようになれば、好循環が始まり、
それなりの見た目や味で葉物野菜も出荷できるし、
葉物野菜は、土壌の浅いところから中間層に少しずつ
下に下に根を伸ばすようになります。

根菜などの 他の野菜はどうか?

ここで改めて他の種類の野菜を考えてみましょう。

根菜類は、文字通り根が主役の野菜。
葉物野菜よりも地中深くに根をのばします。
すると、転換初期には
必然的に浄化できていない部分に根を伸ばすことになります。

その結果、腐敗に集まってくる菌や虫などにより、
見た目が悪かったり、病気などで生育が悪くなる場合があります。
もちろん、葉物野菜と同じく、根菜も畑の浄化には一役買いますので
浄化が進まないというわけではないのですが、
効率で言うと葉物野菜の方がいいということなのだと思います。

花野菜類・果菜類はどうか?

ブロッコリー、カリフラワーなどの花野菜類
ナス、ピーマンなどの果菜類はどうでしょうか?

主な理由が2つで、
①生育期間が長い
②食害を防ぎきれない

ということだと思います。

葉物野菜に比べ、生育期間はどうしても長くなります。
炭素循環農法に転換して最初の時期は、
前年までの肥料の残肥の影響で、
生育は悪くないが、虫がたくさん寄ってくる
という時期を経て、
虫は少なくなったが、生育が通常の半分程度
というような状況に、葉物野菜ですら、必ずなってしまいます。

花野菜類、果菜類のように、花や実をつけるためには
かなりの養分を必要とします。
転換初期の微生物由来の肥料が少ない状況では、
あまり収量が期待できない、ということです。

そして、もう1つが虫などによる食害。
肥料はもちろん、農薬も使用するので、虫による食害を基本的に防げません。
葉物類だと、まず、葉そのものに虫食いができるので、
出荷できるかの合格・不合格(もしくはA・B・C品)の見極めがまだ容易です。
しかし、花野菜類や 果菜類になると、虫がその中に潜んでいたり
食べ進めて「巣」のようにしている場合もあります。
しかし当然農薬は使用できないので、それを除去するのも一苦労です。
そういった面もあり、やはり畑がある程度浄化し、
微生物由来の栄養素が充実してこないと
花野菜類、果菜類は難しいと解説されていました。

種実類も、同じく栄養素と虫害の影響だと思われますが、
提唱者の林さんのホームページには記載がありませんでした。

まとめ まずは葉物野菜 それも無理なら緑肥

炭素循環農法を実践する場合、

・土壌の表面から深い所まで段階的に浄化されていく
・葉物野菜は割と表面に根を張るため、早いうちから適応できる
・根菜、花野菜、果菜類、種実類は深い部分までの浄化が必要だったり、
 栽培期間が長いため、微生物由来の栄養素が少ないうちは難しい
 また、病気や虫害対策で大変な場合が多い。

ランキングでいうと、
1位 葉菜類
2位 根菜類
3位 花野菜類
4位 果菜類
5位 種実類
となります。

以上の理由から、転換初期は葉物野菜がおすすめという事でした。

出荷先の確保が難しい、労力が足りない
など、葉物野菜をどうしても作れないという方は、

思い切って転換初期は「緑肥」にするのも1つの手です。
虫食いがあってもイライラしないですし、
微生物へのエサやりの後、種まきまで無事に終えれば、
あとは成長を待つだけです。

私自身は、ごぼう栽培をメインにしているので、
あまり葉菜類を扱う機会が少ないので、
緑肥したり、失敗覚悟で転換2作目くらいから、
ごぼうを種まきしたりしています。

皆さんの畑に適した作物が見つかるとよいですね!!!

今日も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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