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17炭素循環農法 実際のやり方③2年目以降その1

前回までの記事で、
炭素循環農法の
畑の手入れの仕方(初回は硬盤を破砕する、高炭素資材を入れたら浅く混ぜる)
と、種まきなどのポイント(なるべく水をやらない、虫食いは我慢する)
を紹介しました。
少しずつ畑の状態や、微生物の居住環境が改善されてくるわけですが、
「今、畑の土はどういう状態にいるのか?」の
見極めが出来ないと、
「やってみたけど全然改善されないんだけど・・・」
という、収量(売上)的にも、心理的にも厳しい状態が続きます。
周りに相談できる人が居ない場合は、特に不安になる時期だと思います。
(これが以前紹介した、デメリットの1つですね)

2年目にぶつかるであろう、疑問点の例をいくつか紹介します。

おさらい 2種類の栄養素(無機態窒素・微生物由来)

以前の記事https://ok-farm.jp/tan-jun-14-shuuryou-suii/でも紹介した、
慣行栽培から炭素循環農法に切り替えた場合の、
栄養素の進捗具合についてはしっかり理解されていますか?
もう1度、提唱者の林さんの作成された、グラフを添付します。

最初は高炭素資材を少なめに入れる
切り替えてすぐは、「無機態窒素の残り」で、意外と生育がいい場合がある。
収量が3/4以下になったら、高炭素資材を増量する。
その後、更に収量が落ちるが、この収量が落ち切った後に
収量が安定してくる。
という事でした。

基本的には、自分が今、どこのステージにいるのかを把握できていれば
トラブルが少ないですし、不安になる事もないと思います。

ケース①土がまた硬くなる

作物の種まきの前に高炭素資材を入れ、浅く混ぜ、種まきをする・・・。

しかし、何故かまた表面が硬くなることがあります。
主な原因は、やはり「呼吸」。
通気性がまだ改善されきっていない、という可能性があります。
特に土壌水分が抜けにくい季節は、若い雑草、作物の残渣などの
「低炭素資材」(C/N値が低い)を混ぜ込むと、
症状が悪化する恐れがあります。
提唱者の林さんは、
「人間で言うと、入院中なのに普通食を食べさせること」
とおっしゃっています。
「慣行栽培から切り替え中」の土壌にも、入院食を与えましょう。

春の種まき、特に要注意(気温は重要)

うまく行かない場合の1つに、
「気温が足りない」ケースが多くあげられます。
炭素循環農法の主役の1人「糸状菌」は、低い気温でもバリバリ働きますが、
糸状菌が分解したものを、更に分解して、栄養素に変えてくれる
「バクテリア」などの微生物が、
低温の場合は動きが鈍かったりするそうです。
ですので、しっかり気温が上がってから餌を入れたり、
種まきをしたりする事が重要かもしれません。

ケース①の対処方法 餌を少なく、更に浅く

ものすごくシンプルに言うと、
土中の酸素が足りないし、微生物もまだ少ない状態なのです。
その状態で、高炭素資材を入れすぎると、
「分解しきれなかった」高炭素資材が、腐敗を招いてしまいます。

雑草をすきこむ場合は、10cm目安だったトラクターの深さ調整を
5cm程度と、更に浅く設定します。
かのうなら、腐敗の要因である「水分」を飛ばすため、
雑草を枯らしてから行うと更によいです。
もしくは、雑草をすきこまずに地表で分解させるくらいのつもりでも大丈夫です。

提唱者の林さんは、
「通気性が良くなる前の状態では、
 登熟(主に穀類が成長しきって種をつける状態)していないものを
 混ぜてはいけない。登熟を待てないなら、伸びないうちに土に混ぜろ」
とおっしゃっています。
これについてはあまり詳しい解説が無かったのですが、
文脈から考えるに、
「雑草にしろ、作物にしろ、成長途中の状態が水分が多い。
つまり若い雑草(作物)を分解するのにたくさんの微生物が必要なんだが、
微生物が少ない転換初期の畑なら、登熟してから混ぜろ。
登熟が待てないなら、そもそも雑草(作物)を大きくする前に混ぜ込め」
という風に私は解釈しています。

前述の通り、必要な要素、酸素もお忘れなく。
なるべく浅く混ぜこむ、もしくは雑草などを表面で枯らせる
点に注意しましょう。

それと、場合によっては、
根本的に「排水対策」がまだ不足しているのかもしれません。

土の硬化が起きにくいように、排水溝を作る、高畝にする、再度耕起する
などの通気性の改善が必要との事です。
以前紹介した、「硬盤を破砕する」を重機などで確実にしてこられた方は、
起きにくいかもしれませんが、
「植物の根に硬盤を破砕してもらう」方法を選ばれた方は、
こういった事が起こりやすいかもしれない、と私は思います。
水はけが悪いと、微生物が窒息死しやすくなる事を意味します。
少しずつですが、水はけが良くなるように改善していきましょう!

逆に餌不足の場合もある

この項目は、私が未体験の事なので、
実際の体験がないままの紹介になってしまいますがご容赦下さい。

「冬場など、乾燥しやすい時期に、土中の気層が増え、
好気性で低温に強い糸状菌が活性化。除草や中耕だけでも、
有機物の消耗が起きます。対処法は正反対の、餌の大量投与です」

と、林さんはおっしゃっていますが、これ以上の記載がないので、
体験したことのない私はあまりアドバイスができません・・・。
ただ、キーワードとして、「気層」という言葉があるので、
表面がガチガチな場合は、まずこちらのケースではないという事だと思います。
基本的には酸素不足、微生物不足の方を疑ってもいいのかな?とも思います。

ケース② 順調+大雨 で起きる「虫食い」「病気」

「虫食い」は、浄化作業中だから、虫を殺さず管理を続け、
「虫が少なくなってきたら、浄化完了」と、以前紹介しましたが、

炭素循環農法のやり方で
春に種まきをして、「虫があまり出なくなった!やった!」
と思っていたのに、春の長雨などの後、
「急に虫食い」「病気」が出る事があります。

「えー?前作の時は虫食いが出なかったのに・・・」と
思うかもしれませんが、これは浄化がある程度進んだから起こる虫食いです。

どういう事かと言うと、今までは、「土の表面」付近で、作物が根を伸ばし、
栄養素を吸収していました。
しかし、半年~数年をかけ、炭素循環農法のやり方で、土壌改善をしてきた場合、
作物は、今まで届かなかった中層~深層に根を伸ばすようになります。
それに加え、春の長雨などで水が深層に届いた場合、
「深層に溶け込んでいる汚れ(無機態窒素など)が、溶出する」という事があるそうです。
今までは届かなかった場所まで、
作物が頑張って浄化してくれるからこそ起こる虫食いや病気、という事です。

この場合も、通常の浄化の過程と同じく、
作物に汚れを少しずつ吸い取ってもらいつつ、浄化を進めていくしかありません。

今回のおさらい

やはり通気性(酸素不足)の改善が、
重要という事がご理解頂けたかと思います。

また、微生物が少ない状態での高炭素資材は、
なるべく少なめに・・・というのが基本という事ですね。

次回も、もう少し2年目以降の管理について紹介していこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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