前回までの記事で、炭素循環農法の概要と
『微生物が喜ぶ環境』を作る事が重要だと、
理解してもらえたと思います。
では、次に気になるのが、
『自分の畑は、炭素循環農法の考え方だと、
どういったステージにいるのか?』
『どうやってそれをチェックすればいいのか?』
という事だと思います。
今回は、それについて紹介します。
※チェック方法は、炭素循環農法の提唱者、林さんのホームページより
アイデアを頂いております。
まずは地面を頑張って掘りましょう
土の状態をチェックするなら、表面だけを見ているだけではダメ。
大変だと思いますが、掘れるところまで地面をスコップなどで掘りましょう。
もちろんショベルカーなどの機械を使っても大丈夫です。
深く掘れば掘るほど、土の状態がよく分かります。
写真は、明渠を掘った時のものですが、
80cmくらいまで深く掘ると、掘る場所によって、
色々な層の出来方、色の違いなどあり、面白かったです。
土を見る① 粘土質?砂質?
大別して、粘土質か砂質かを確認しましょう。
土壌改良する際、
粘土質は団粒形成がされやすく
改良が容易ですが、反応が鈍い。(改良に時間がかかる)
砂質土壌は、多目の高炭素資材を必要とし
敏感に反応(早く改良される)
https://www.sc-engei.co.jp/gardeningbeginner/basics/003-003.html
(参考:住友化学園芸ホームページ 用土の色々)
土を見る② 重質か、軽質か
重質の土は通気性に劣り、乾燥しにくい
軽質の土は乾燥しやすく、改良が容易。
https://www.sc-engei.co.jp/gardeningbeginner/basics/003-003.html
(参考:住友化学園芸ホームページ 用土の色々)
私自身の畑の割合は、粘土質の土壌と、黒ボク土の土壌とが半々くらいです。
耕土を見る① 硬さを見る
耕土とは、表面の軟らかい層の事です。
表面が硬ければ、有機物が少なく、微生物相が貧弱で痩せているか、
施肥により腐敗している。
表面がフワフワで、ミミズが多ければ、
未分解有機物が多く、清浄度が低い状態です。
理想は団粒化して、適度に締まりのある状態。(仮比重1.0前後)
耕土を見る② 表層の耕しやすさを見る
適度に締まりのある状態、と先ほど表現しましたが、
たとえ重粘土質であっても、表層20cmくらいは
素手で軽く掘り起こせる状態である方がいい
耕土層の下を確認する
深さ20-80cmは腐敗硬盤層ができる所です。
硬い板状の層や腐敗臭がする層がないか確かめましょう。
また、土壌改良の進捗が思わしくない場合、
下層に粘土などの不透水層(青灰色や緑灰色の還元層(グライ層)がないか調べます。
水田を畑にする場合、水持ちを良くするための練り固めた鋤床が
15~25cm程の所に作られています(通常、酷い腐敗は伴わない)。
土の奥深くをイメージする
炭素循環農法、提唱者の林さんは、
『土地の改良とは、
いかに多くの酸素を土壌深部まで供給できるか、ということ』
であるとおっしゃっています。
そうできるようにするため、土の深部を想像したり、
実際に見たりして、考える事を習慣化するのが大切、とのことです。
コメント