質問コメントに回答!その1 硬盤破砕と畝について

最近はブログの更新が少なくなっていますが、
少しずつYouTubeの方が充実してきました。
このブログの内容を台本にして、
YouTubeに解説動画をあげているのです。
よかったらご視聴&チャンネル登録お願いしますねー!!
https://www.youtube.com/channel/UCNWw17MLkwKOdXovNAexPew

そして!なんと!!
ようつべを熱心にみておられる方から
炭素循環農法について質問コメントを頂きました!!
ブログ&動画を作っている者として、
これほど嬉しいことはありません!!

実際に作物を育てた経験はまだまだ足りませんが、
精一杯お答えしたいと思います!

目次

質問内容はこちら!

2年ほど前から休耕田40aを借りている。
もともと水田だったので、水はけが悪い。
また、硬盤が深さ30cmくらいの場所にある様子。

排水対策として、高さ40cmくらいの畝を作っている。
現状、トラクター等の農機具があまりないため、
出来れば高さ40cmの畝を壊さずに、
炭素循環農法を続ける方法はあるか教えて欲しい。
今後植える作物は、
レタスとニンジンなどを考えていて、
ナスなどの夏野菜にもチャレンジしたい。

改めまして、かなり真剣なご相談、ありがとうございます!!
直接出会ったことのない川手を信用していただき、有り難いです。
現地を見たわけではないですし、一般的な回答しか出来ないかもしれませんが、
林さんのホームページで学んだことと、
自分の経験を元に回答させて頂きます!!

前提:畑の広さについて

質問者さんの条件を考えると、機械なしで40aの畑、とのこと。
機械無しで全て管理するというのは、
恐らく不可能だと思いますので、
これからの回答は、クワやスコップなどの農具で
管理できる広さを前提に回答します。
(この記事の最後に、機械を持っている人だったら、
こうしてみては?という回答も載せておきます)

②出来れば硬盤は、破砕したい!

農機具が使えない、という状況なので、
なかなか難しい状況だとはおもいますが、
できることなら、まずは硬盤破砕にチャレンジは
して頂きたいと思います。

これは私が現状思っていることですが、
炭素循環農法の「肥料なしで野菜が育つ」というのは
慣行農法では届かなかった深い部分まで
根を伸ばし、深部の栄養も吸収できるのが
重要なポイントだと感じています。

そのポイントである、根の成長を阻害する
硬盤がある、ということは、
いい例え話か分かりませんが、
人間でたとえるならば、
天井までの高さが170cmなのに、
そこで170cmの人が生活しなければいけない感じかなぁ、
と思っています。
「頑張って健康に過ごせよ!」と声をかけられても、
常に腰を曲げたまま生活を強いられると、
流石に元気な人間も、疲労蓄積や怪我の元なのでは?
という感じです。
ですので、できれば硬盤は破砕して欲しい!!とは思います。

質問者さんの場合、
方法としては、スコップで掘る・・・・
不可能ではないと思いますが、やはり超!!重労働ですよね。
ですので、代わりのアイデアを2つほど紹介しておきます。

①緑肥を植える
以前、ブログ記事や動画でも紹介しましたが、
機械のない方は、ぜひ緑肥を植えてみてほしいと言っています。
イネ科の緑肥が炭素循環農法とは相性が良いようです。
夏はソルゴー、冬はエンバクなどがオススメ。
(マメ科の作物は、炭素循環農法と相性がよくないので避けましょう)

ショベルカーなどに比べて、時間はかかりますが、
ソルゴーなどは、地下1m〜2mまで根を下ろします。
40aの畑のうち、管理しきれない部分は、
草刈りをするだけでも大変だと思います。
とりあえずタネをまいて土だけ被せておけば、
特別な管理は要らないので、緑肥にトライしてみるのはいかがでしょうか?
ただ、トラクター等が無いということは、緑肥の草刈りの心配をしないと行けないので、最低でも刈り払い機くらいは用意が必要ですね。
理想は緑肥を細かく砕くのが良いのですが
主たる目的は硬盤の破砕!!後処理のことはともかく、
緑肥の取り組み、いかがでしょうか?

②電動工具のマキタ様を召喚する
これも、家庭菜園レベルの広さなら・・・という前提なのですが。
ショベルカーは無理でも、電動工具の購入、またはレンタルは難しいでしょうか?
最近は電動工具の精度や威力も上がっているのに加えて、
インパクトドライバーにつけるアタッチメントも
かなり種類が増えてきています。
自分自身は、ショベルカーがあるので、
あえてまだ購入はしてないんですが、
18Vのインパクトドライバーで、使用可能なもの、
アースドリル、などというドリルが1ー2万円程度。
その先につける長いドリルビット、スコップ形状のビットが
3000ー5000円程度から
あります。
本来の主な用途は、ビニールハウス建設時の穴あけなどのようですね。

電動工具なので、使用に関して注意は必要ですが、
(威力に負けて、腕を捻挫、ドリルの跳ね返りによる怪我等に注意!)
硬盤を壊す方法が緑肥以外にないのなら、
この方法を自分ならやるだろうな、と思っています。

畑のうち、硬盤破砕をするエリアを決め、
間隔・・そうですねー可能な限り狭い方がいいのは分かっているのですが、
重点的にエリアを狭くするなら、10cm〜20cmおきに、
ある程度広いエリアをやるなら、30〜40cmおきくらいに、
畝に沿って穴を空けていきます。
一箇所開けただけで、硬盤が全て破砕できるわけではないですが、
文字通り「風穴」を開けることがまず重要で、
そこに緑肥や、育てたい作物の根が届き始めたら、しめたもの。
ドリルのおかげで硬盤を壊すスピードがかなり早くなるのでは?
と、考えています。

硬盤破砕については、以上です。

畝立てと、作物の根の深さについて

畝立てをするという事は、水はけをよくする、等
メリットが色々ありますが、今回ご相談の圃場の場合は、
「根を伸ばすスペースが広がる」というものが
最も重要なポイントかなぁと、思います。

質問者さんが40cmという、かなり高い畝を立てられた
ということですが、恐らく田んぼの影響が残っているため、
水はけ対策では・・・?と予想されます。
(違っていたらごめんなさい)
硬盤が深さ30cm地点にある、ということは、
本来なら根が30cmまでしか伸ばせなかったものが、
畝の高さを加えて、70cmの深さまで伸ばせるようになった、と
解釈すればいいと思います。
提唱者の林さんは、「畝立てに頼らなくてもいい圃場を目指せ」
的なことをおっしゃっていますが、
「転換初期のうちは、根域が広くなるから、一時しのぎの方法として
効果的ではある」
的な事もおっしゃっています(林さん、結構毒舌なのです笑)
なので、畝はせっかくなのでそのまま使って良いと私も思います!

ただし、畝の表面がガチガチに硬くなっていたら、
酸素が作物の根に届かない可能性があるので、
表面ガチガチの部分は、クワなどで中耕したりして、
通気性をよくした方がいいと思います。

育てる作物は注意が必要!!!

さて、色々と「準備」について紹介してきましたが、
何の作物を育てるのがいいのか、悪いのかについて
ご提案をしておこうと思います。

先程は「まずは緑肥を植えましょう」
と言いましたが、せっかくだから食べるためのものを植えたい。
結論から言うと、そんな場合は
「葉物野菜から育てましょう!!」
という事です。

(自然農法などの流派?種類?によって、
「葉物作りが1番難しい」
「根菜が1番簡単」
などなど、主張が異なります。
いい畑を作るためのアプローチが違うのだから
当然の話です。
以下は、他の農法を批判する訳では無いのではなく、
提唱者の林さんの意見を述べているだけです)

炭素循環農法においては、
転換して最初に育てやすい作物の種類は、
「葉菜類」。
キャベツや白菜なども含まれますが、
その中でも特にほうれん草や小松菜などの
葉物が成果が出やすいとされています。

理由はめちゃくちゃロジカルでシンプルです。
「根っこが比較的下に伸びないから」です。

人間が作物を育てている時、、、そうですね。
例えばニンジンにしましょうか。
長さ20cmのにんじんを収穫したとします。
「おっ!根っこが20cmくらいまで地下に伸びたんだな」
と、一瞬思うかもしれませんが、
「人間の食べる部分」
「人間の肉眼で容易に見える部分」
「無事にちぎれずに抜けた部分」
が、ニンジンの根として目に入る訳です。

食べる部分が20cmのニンジン出会っても
・目に見えないほど細い根っこ
・収穫時には知らないうちにちぎれる部分
は、地下1mくらいの部分まで伸びている訳です。
(自分で実測はしていませんが、
 研究者さんで1.8〜2mまでニンジンの根が伸びている
 という方もおられます。)
言葉として適切では無いかもしれませんが
「氷山の一角」のような感じで、
目に見えないけれど、人間の思っているよりも
深く、不覚に作物は根を伸ばしているのが普通です。
余談になりますが、プランターだと極端に作物がうまく育たない、
という方は、もしかしたら深さが足りないのが理由では?
と思うことが最近はよくあります。

本題に戻りまして、葉菜類。
何故、炭素循環農法に転換してから
育てやすいのかというと、
他の作物に比べて、根が浅い場合が多いから、です。

前述の根菜類も、根の深さが必要。
果菜類は、追肥なしで長期間作物に栄養を供給するとなると、
やはり広範囲に根を伸ばす必要がある
(根が伸びるスペースが足りないと、途中から作物が生育不良になる)
葉菜類は、もともと根がそこまで深く伸びないという特徴に加え、
短期間で収穫するという事もあり、
緑肥以外で転換初期に育てるなら、おすすめされています。

おすすめと言っても、当然浄化が進んでいなければ、
虫食いに遭ってしまうのは必至、
味が良く無い場合もありえますので、
緑肥がいいのか、葉物がいいのかは、
試験的に狭い範囲を実際に植えてみて
判断されるのがいいと思います。

仮に葉物野菜がうまいこと生育し、収穫までたどり着いたら、
収穫後に残った「根っこ」は、それがまた微生物の餌となります。
つまり、葉は人間の食べ物として。根の部分は微生物の食べ物になる訳です。

葉物類が順調に育つ、土壌の改良が進む
のサイクルが進めば、次はキャベツ、白菜、レタスなどに。
さらにうまく行けば
根菜類、果菜類などの
別の種類の栽培もうまくいくようになると思います。

とはいえ、硬盤の破砕は考えておいた方が良い

という事で、結論は緑肥か葉菜類を植えてみては?
というのがOKファームからのアドバイスの結論です。

実際の畑を見た訳では無いので、
これが適切なアドバイスかはわかりませんが、
とりあえずまずは基本の「酸素」。
微生物は酸素が無いと死にます。人と同じです。
田んぼからの転換という事ですので、
出来るだけの排水対策等はした上で、
栽培に挑戦して頂けたらと思います。

それと、現状では機械などを使っての硬盤破砕が
難しいとのことでしたが、
炭素循環農法においては、
地下への酸素供給が栄養素確保のキモとなります。
葉物野菜の根などで、少しずつ土壌改善が進んだとしても、
硬盤を壊すのに手間取っていては、
いつまで経っても炭素循環嚢胞の
「転換中」ステージを抜けられず、
味もイマイチ、虫食いも続く
というストレスが溜まる時期が長引く可能性があります。

前述の緑肥、電動ドリル、
近所で頼れる方がいる場合は
トラクターの硬盤破砕の機具(プラソイラ、サブソイラ等)を
借りるなどした方が、スムーズに転換が進むかな、とも思います。

今後も実体験、ご意見、ご質問お待ちしております

実際にやってみて、いいもの、悪いもの問わず、
「こんな結果になったよ!」などがありましたら、
お気軽にコメントやメールなどで写真を頂けたら幸いです。
1人でやるよりも、皆で情報共有できた方が楽しいし
クオリティも良くなると思いますので!!!

長々とした文書になりましたが、
ご相談ありがとうございました!!
近日中に、YouTubeにこの記事の内容を
UPしようと思いますので、またよろしくお願いします!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 大変勉強になりました。
    アースドリルなるものの存在を初めて知りました。時間はたっぷりあるので、レンタルマキタ様+アースドリルで風穴を開けつつ、緑肥を撒いてみようと思います。畝が必要なくなるような地中深くまで微生物が活動できるような畑を目指してみたいです。

mogusa へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA


目次
閉じる