少し前に、近所にある『トムミルクファーム』という
東広島市では有名な牧場のイベントに参加してきました。
その中で、『子供たちと一緒に、牛の餌を作る工程を見てみよう』
というコーナーがありました。
その時たまたま、『腐敗』『発酵』という、
炭素循環農法にも通ずるお話しが少し出てきたので、
ちょっとだけ紹介します
牛の餌は保管が大変!!
トムミルクファームの社長自らがお話しされていました。
牛は1日にたくさんもの牧草などを食べるのだが、
それを365日キープするとなると、まずその量の確保が大変。
次に、確保した牧草や飼料用の稲(WRC)を、
腐らずに保管しておくのがまた大変。
それを最近、解決したのが、機械と、乳酸菌である。
コンバイン meets 乳酸菌
通常のコンバインとは違う、
飼料米(牛の餌用の、稲穂があまりつかない稲)専用の
大型コンバインが、改良を7~8回重ねて完成した。
このコンバインは、5条の稲を刈り取ったあとに、
稲わらに『乳酸菌』を噴霧しながら、コンバインの後方でそれを回転させ続ける。
約1~2a程度の稲を刈り取りすると、後方の稲わらが、
キレイな円柱状になって、コンバインから排出される。
排出された稲わらのロールを、フロントローダーでラッピングマシンの元まで移動。
ラッピングマシンで、雨にぬれたりしないように保護する。
この機械と乳酸菌のチカラのおかげで、稲わらは発酵が進む。
発酵が進むと、稲わらが腐敗する事はなくなり、
それを保管する労力も軽くなり、牛の健康にもよい。
と、トムミルクファームの社長に説明して頂いた。
年間にどれだけの稲わらが必要なのか?
数量を聞くと、またびっくり。
これだけ大きなロールなのに、トムミルクファームにいる120頭の牛は、
コレが1日に2つも必要らしい。
10aの畑から、
この巨大なロールがいい時でせいぜい10個取れるくらいとのこと。
じゃあ、365日×2個で、年間約730個のロールが必要として、
それを仮に全部稲わらでやるとしたら・・・
ひょえー。73haもの田んぼで稲を作らないといけない計算になる・・・。
もちろん、別の餌をやったり、買ったりする事もあるんだろうけど。
とはいえ、昔はこの作業を人力でやっていたり、
腐敗した稲わらを作らないように神経を使っていたと思うと、
この機械と乳酸菌による発明はものすごい効率化となりましたね・・・。
炭素循環農法はもとより、身近な『発酵』
炭素循環農法について書くこのブログですが、
発酵という技術は
野菜作りの他にも、
酪農、人間の腸内環境、漬物などの食べ物、パンやお菓子など、
色々な所にある、身近にして重要な技術だなぁと再確認しました。
これからも色々な『発酵』を楽しんで行きたいと思います
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