新規就農するならメンターが4人いた方がいい。その理由とは?

メンターという言葉をご存知でしょうか?
指導者、助言者という意味だそうです。
初めて聞いた方はアドバイザーという言葉などに置き換えて考えてみて下さい。

農業経営者になるなら
最低4人のメンターが居るといい。
私はそう考えています。その4人とは、、、?
何故4人いるといいのか?について紹介します。

目次

4人のメンターの内訳とは?

栽培相談できる人
経営相談できる人
お金相談できる人
農業全くわからん人

この4人が居ると、
農業経営がスムーズに行ったり、
ストレスが減らせたりすると私は思っています。

栽培相談出来る人 とは

これについては文字通りですね。
地元のJAさんや、自治体などの農林水産の部署。
地域の先輩農家や、農機具店、肥料店などのスタッフ。


また、慣行農法ではなく、
独自の農法に取り組まれる方は、
その農法について相談できる
師匠的な人
の存在は重要になってくることと思います。



工業製品と違い、
天候などの気象条件が毎年異なるのが農業。
去年はうまく行ったのに今年は何故うまくいかない、、、、
と悩んでいる時に、相談できる仲間や先輩がいれば、
『俺の時はこうだったよ』『こうしてみたらいいんじゃない?』
などアドバイスがもらえると思います。
個人的に大事だと考えるのが、
『悩みが解決することはオマケである』という事です。
あなたと仲間も、違う畑で農業に取り組んでいるので、
当然アドバイスがその時の悩みに適切かどうかは分かりません。

ただ、農業は種まき〜収穫までの
一連の流れをこなすのに時間がかかりますので、
思ったより『回数』という経験値が稼げないのです。

それを仲間に意見を聞く事で、
『実際にやってみてこうだった』という
疑似体験の経験値がプラスされるのです。


そして、自分1人で農業に取り組んでいる場合、
運悪く栽培のトラブルが続いた場合、
精神的にかなりキツいと思います。

このまま生育不良が続いたら収入が減る…とか、
そうでもない場面なのに、悪い方にばかり考えてしまう、みたいな。
そういうネガティブな気持ちの時は、
相談できる仲間や先輩の栽培の話を聞く事が
何よりのクスリだったりします。

出来る事なら、そういった仲間を増やしておきましょう。

経営相談できる人 とは

栽培技術が長けている先輩農家であっても、
経営の相談に適しているとは限りません。

栽培は上手だけど、あなたから見て
『経費をかけ過ぎじゃない?』
『とりあえずこの人、不要な農機具買い換えてばかりだなぁ、、、』
という人もいれば、逆に
『もう少し規模拡大したいけど、
 師匠は完全に1人で営農してるから、
 雇用とか大型機械の相談はできないな…』
というように、そもそもタイプが違う場合もあると思います。
そして、距離が近すぎるが故に
『自分の年間の売上や、利益を伝えたくない』という場合もあると思います。

同じ時期に農業をスタートした仲間や、
師匠より実はメチャクチャ稼いでいる、
という場合であっても、
恥ずかしながら本当にギリギリの生活をしてます、、、
年収、コレだけしかないんです、、、
という場合であっても、
距離が近いが故に相談しにくい、
したくないという場合があると思います。

そのような時に居てくれると助かるのが、経営相談できる人です。

たまたま身近に相談し得るに足る
先輩農家がいればラッキーですが、
相談するということは、本来お金を払ってするものです。

役所などの農家支援の部署であったり、
(お金がある程度かかりますが)農業に長けたコンサルタントや、
税理士さんなどに相談するのがいいのではないかと思います。


その場合、
「農家を今まで指導してきた事があるスタッフ」
にお願いするのが必須です。



工業製品と違い、天候のリスクがあったり、
規模拡大した時にかかる人件費のバランスが、
工業製品とは異なるとされています。

その点を知らないコンサルに当たってしまった場合、
悲惨な目にあう場合もあります。
無料、有料に関わらず、
『今までにどんな農家にアドバイスしてきたのか』
を聞いた方がよいと思います。
コンサル、税理士などは、
いい意味で農家の常識がないという事です。
どこの業界も同じかもしれませんが、
他の業種から見たら
『えっ!?農業ってそんな勿体ない経費の使い方してるの!?』
というケースがよくあります。

農家の常識は他産業の非常識、的な話です。
知らないうちにしてしまっている無駄遣い、
販売などを指摘してくれるというチャンスがあるかもしれません。
『農業やったこともない人間が農業経営に口出しするんじゃねぇ!!』
という考え方の人もいると思いますが、
最近農業界でバリバリ活躍している農家、
グループの陰に『非農家』のアドバイザーやブレーンの存在がよくあります。

1人で順調なら問題ないですが、
特に中長期の計画が作れない方、
作っていない方は、経営相談出来る方を見つけると、
今何をすべきか が見えるかもしれません。

お金の相談ができる人

栽培技術を相談できる人が居る。
経営のアドバイスをしてくれる人も出来た。
しかし、実際に事業を続けるとなると、
先行投資であったり、ピンチに急な出費が必要だったりすると、
その人に『お金を貸してくれー』とお願いするわけにはいきません。

事業として農業を続けるのなら、
『お金を貸すこと』を仕事にしているJAや、
金融機関から借りるのが1番よい方法だと思います。

何か本当に急な事情があり、
金融機関の手続きが間に合わず、
仲間や親戚からお金を借りるような事態もあるかもしれませんが
『お金を借りる』『お金を貸した』というのは、
冗談抜きで今まで築いてきた人間関係のバランスが崩れます。

『頼ってくれてありがとう』と絆が深まるケースもあるかもしれませんが
ほとんどの場合は
『あの時貸してやった』『あの時貸してもらった』
という事実がかなりの長い期間、お互いのイメージとして残ります。

今後、相手から何かお願いをされた場合に断りにくくなる。
本来対等な立場だからこそ言えた相手への気軽なお願いや、
苦情のようなものも極端に言いにくくなります。

その点は覚悟した上でお金の貸し借りをしましょう。

話を元に戻しますが、お金の相談。
よくある話ですが、
『現金一括で買えるけど、リスク分散のためにあえてローンを組む』
という場合があります。
農機具などに限らず、マイカーや物件の時にも言える事ですね。
大なり小なり利息支払いが発生しますが、
金融機関側からして『お金を貸した事がある』という事は、
信頼できる情報のひとつになると言われています。

(借りたものを全額返している、というのが大前提ですが)

何かトラブルがあり、急にまとまったお金が必要になった!!
そんなときでも、今までに取引があれば、
こちらも必要な書類や段取りがだいたいは分かっていますし
金融機関側も、あなたが既存客なので事務的にも、
リスク対応的にもハードルが下がると予想されます。
農業経営のメンターからは、
『借りれる時に借りて、ちゃんと返して、信用を作っておきなさい』
と以前言われたことがあります。

金融機関というのは、コンビニやスーパーのように、
フラっと立ち寄る場所ではないですが、
普段から融資担当の方と顔馴染みになっておけば、
『金利が安いプランがあるよ』など、
金融商品が情報も入ることもあると思います。
ぜひ、お金の相談ができるメンターも見つけておいて下さい。

農業が全く分からない人も大切な存在

そして農業をやる上で
精神的に安定をもたらしてくれるのが
『農業が全く分からない人』『農業に関係ない人』です。



栽培、経営、お金、心配ごとは尽きません。
サラリーマンと違って固定給はありません。
天候も不安定。考えれば考えただけドツボにはまる時もあると思います。
そういった時、
正面から悩みに向かい合うのと同じくらい
リラックスするという事は重要なこと。


普段から野菜の話ばかりしている仲間のところだと、
農業に対しての不満や愚痴をこぼしにくい・・ということもあると思います。

そして不思議なもので、
そういった人と話をして、楽しい時間を過ごしたら、
『よし、明日からまた頑張ろうか』という気持ちになるものなのです、、、。
アレ、なんなんですかね?(笑)

どんな人でも、気分が落ち込むことはあるものです。
そんなとき、「この人に会ったら元気がもらえる!!」
という人を見付けておいてください!

相談する相手を間違えないことが大事

4人のメンターについて紹介しましたが、
キッチリ4人に区切る必要は当然ないです。

理想的なのは何を聞いても全て的確に答えてくれ、
リラックスもさせてくれる人がいれば1人で十分です。

逆に、悩み相談と言っても現実的には
『町内会の悩み』『子供の友達のことの悩み』
『健康の悩み』など、種類も悩みの数もそれぞれです。


相談相手が多すぎて、頭がごちゃごちゃしたらダメですが、
悩みに応じて相談できるメンターが、多くいれば、
その分込み入った相談ができるのかなぁとは思います。

あなたが相談しやすい人に相談すればいいのですが
農業そのものの話については、
専門的な知識が必要です。
そして、言い方はちょっとキツいですが
自分で経営をしたことのない人には、
経営者のキツさは分かりません。

仲が良いから、話しやすいから相談する
という仲間がいてもいいとは思いますが
本当に栽培技術を学びたいなら、
口の悪い先輩農家の話を聞く必要もあるかもしれません。
コンサル系の人に計画の甘さを
バカにされまくることもあるかもしれません。
ただ、あなたに対して甘い事しか言わない人ばかりに相談していたら、
多分、あなたは後でもっと大変な想いをすることになると思います。


今ある悩みの相談を
誰にすればいいのかを間違えないようにしてください。

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この記事を書いた人

農業歴12年のごぼう農家。
毎日Voicy(音声配信)で情報発信中。

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